Writer: tsuda 更新日:2025/12/12
こんにちは、サービスプロデューサーの津田です。
「ユーザビリティとアクセシビリティって、結局どう違うの?」という質問をよくいただきます。
Webやアプリの改善を考え始めると、この2つは必ずと言っていいほど登場しますよね。名前が似ていて、違いがいまいち……というお気持ち、とてもよくわかります。
実際、「使いやすい」という言葉で表してしまうと似ているのですが、実は“対象・目的・役割のレイヤー”に違いがあります。
2つの概念の違いについて、ひとつずつ見ていきましょう。
■ ユーザビリティとアクセシビリティの違い
1. ターゲットの違い
アクセシビリティは、最初から「さまざまな人・多様な状況」を前提にします。
年齢や障害の有無、デバイスや環境の制約(屋外・暗所・片手操作・通信不安定など)を含む、極めて幅広いユーザーに配慮した設計の考え方です。
一方、ユーザビリティは
「サイト・プロダクトが想定した特定のユーザー」
「特定の利用状況」
に対して、使いやすさや操作効率を最適化する設計の考え方です。
つまり、アクセシビリティは「様々な人が使えるように」、ユーザビリティは「(サイト・プロダクトの)想定ユーザーにとって最も使いやすくなるように」に焦点を当てる違いがあります。
また、ユーザビリティ改善は「誰のための改善か」をはっきりさせることが大切です。取り組む際は対象ユーザーを明確にしましょう。
2. 目的の違い
アクセシビリティの目的
- 「使える状態を保障する」
- 「情報や機能へのアクセスを妨げない」
ユーザビリティの目的
- 「迷わず使えるようにする」
- 「効率よく目的を達成できるようにする」
どちらも「ユーザーにとって良い体験」を追求しますが、
アクセシビリティは「利用できるかどうか」、
ユーザビリティは「利用の質」
に寄与する点で役割が異なります。
■アクセシビリティはユーザビリティの「土台レイヤー」
アクセシビリティは、ユーザビリティよりも根本的なレイヤーに位置します。
つまり、アクセシビリティが土台、ユーザビリティはその上に積み上がる体験改善という構造です。
そのため、
- ユーザビリティが欠けている
→使えはしても、分かりにくい・効率が悪い - アクセシビリティが欠けている
→そもそも使えない人が出る
ということになります。「どちらかを気にすればよい」というわけではなく、役割が重なる部分もあれば、それぞれにしか担えない部分もあるため、両方取り組むことで誰もが使いやすいWeb体験を目指せるんですね。
デジナーレでは、ユーザビリティとウェブアクセシビリティ両方の観点から診断する、「ユーザビリティ×ウェブアクセシビリティ診断サービス」を提供しております。
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